蒲島県政は2008年4月に始まり、財政危機など、当初から難題に直面してきた。さらに、2016年4月には震度7の熊本地震、4年後には球磨川流域の大氾濫による豪雨災害に見舞われた。しかし、それらの大災害を乗り越え、熊本は創造的復興を着実に進めている。現在、世界最大手のTSMCが進出し、半導体産業の集積など熊本は世界の注目の的となっている。「逆境の中にこそ夢がある」という政治理念のもと4期16年の熊本県政の軌跡を分析する。
東京大学名誉教授/前熊本県知事
蒲島 郁夫(かばしま いくお)氏